01樹木の異常な形態・状態
樹木の異常な形態や状態に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。
- 常緑樹の葉がクロロシスを呈して短期間に落葉する現象を異常落葉という。大気汚染による可視被害の一つである。
- 太い枝が自然に折れたり人為的に切ったりした後に、切り口を覆うように形成される樹皮を入り皮という。入り皮が切り口の全面を覆うまでは病害虫が侵入しやすい。
- 仮道管のキャビテーションが原因で、軸方向に長く樹皮が盛り上がるように肥大した状態を蛇下がりという。道管ではキャビテーションが発生しないので、広葉樹に蛇下がりは見られない。
- 水分不足により葉や葉柄の細胞が膨圧を失って葉が緑色のまま垂れる現象を萎凋という。マツ材線虫病に侵されたマツなどで顕著に見られる。
- 自身の幹や根に巻きつくように伸びている根を巻き根という。そのまま肥大成長すると互いの形成層を締め付けるようになり成長が妨げられたり、病原体の侵入口になったりする。
基本解説
異常形態は、見た目だけでなく発生機序まで確認する
試験で押さえる事項
- 異常落葉は通常の季節・葉齢から外れた落葉。常緑樹のクロロシスと短期落葉だけを定義としない。
- 太枝の切口を外周から覆う組織はカルス・巻き込み組織として整理し、『入り皮』ではない。入り皮は分岐部へ樹皮が巻き込まれた構造。
- 蛇下がりは樹皮表面に蛇行状の隆起・亀裂が現れる症状名で、仮道管キャビテーションだけを原因とし、広葉樹では起こらないとする説明は誤り。
- 萎凋は細胞の膨圧低下で葉が垂れる現象だが、マツ材線虫病の初期診断をこの外観一つへ限定しない。
用語を押さえる
樹木医の手引き 第4版 p.571 ES版 80頁
