TREE DOCTOR EXAM · SYSTEMATIC REFERENCE V6.0.1

総論 第2章 樹木保護に関する制度

収録7問。ワイド画面では左に問題、右に正答・解説を表示し、狭い画面では縦方向に読み進められます。

総論 第2章 樹木保護に関する制度

各問題のランク・深度は詳細分析の正本です。学習状態は明示的に選択してください。

総論 第2章 樹木保護に関する制度第1節・3|保護制度について
B深度II手引き 総論2章・1節・3H30-27A|選択肢別判定型

01天然記念物の保護制度

問題

樹木医は、国や地方公共団体が指定する天然記念物を診断・治療する機会が多い。天然記念物に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 国の天然記念物は、文化財保護法により指定されており、地方公共団体の天然記念物であっても、この法律により指定を受けているため、全ての天然記念物の治療を行う場合は、国の許可が必要である。
  2. 天然記念物には、ハダカガヤ、カズクリ、シダレモミなどが指定されており、これらは、種子、花序、枝葉の突然変異体と考えられ、樹木の生理生態や遺伝的基礎を解明する材料としての価値もある。
  3. 天然記念物は、動物や植物が指定されており、地質や鉱物の指定はない。
  4. 樹木の天然記念物は、単木で指定されるのが一般的であり、天然林や複数の樹木といった集団で指定されているものはない。
  5. 植物分布の限界地では、生育条件が劣悪で対象となる植物が健全に生育していない場合が多いことから、天然記念物に指定されたものはない。
H30-27手引き 総論2章・1節・3|保護制度について
設問上の正解2

ハダカガヤ、カズクリ、シダレモミのような突然変異体は、希少性だけでなく、形態形成や遺伝を考える研究材料としても価値をもつ。天然記念物は単木だけを保護する制度ではない。

  1. ×
    選択肢1

    地方公共団体指定の天然記念物は、各自治体の条例等に基づく。治療に国の許可が一律に必要となるわけではない。

    指定主体と根拠法令を確認し、必要な許可・届出を個別に判断する。
  2. ○
    選択肢2

    ハダカガヤ、カズクリ、シダレモミのような突然変異体は、希少性に加えて形態形成や遺伝を解明する研究材料としても価値をもつ。

  3. ×
    選択肢3

    天然記念物の対象は動物・植物だけではない。地質・鉱物にも指定例がある。

    天然記念物には動物、植物、地質・鉱物が含まれる。
  4. ×
    選択肢4

    樹木関係の指定は単木に限らず、並木、樹叢、天然林など集団・地域を対象とするものもある。

    単木から森林・群落まで、学術上の価値に応じて指定対象になり得る。
  5. ×
    選択肢5

    分布の南限・北限などは、生物地理上の価値そのものが指定理由になり得る。

    生育が厳しい限界地であっても、分布限界を示す重要な場所として指定されることがある。
基本解説

制度問題は『何を・誰が・どの法令で』に分解する

対象の価値を確認する指定主体と根拠法令を確認する現状変更の許可権者を確認する
試験で押さえる事項
  • 国指定の天然記念物は文化財保護法、地方公共団体指定は各自治体の条例等に基づく。地方指定だから国の許可が一律に必要、とはならない。
  • 天然記念物の対象には動物・植物だけでなく、地質・鉱物も含まれる。
  • 単木、並木、樹叢、原始林など、個体から集団・地域まで指定対象になり得る。
  • 分布の南限・北限などは、生物地理上の価値そのものが指定理由になり得る。
用語を押さえる
現状変更
伐採、枝の切除、根の処置、掘削など、文化財の現在の状態を変える行為。診断・治療では指定区分と必要手続を先に確認する。

樹木医の手引き 第4版 p.29 ES版 7-8頁

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総論 第2章 樹木保護に関する制度第1節・3|保護制度について
B深度II手引き 総論2章・1節・3R4-26A|選択肢別判定型

02天然記念物

問題

天然記念物に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 樹木の天然記念物は、寺社の老木など単木の単位で指定されており、天然林や複数の樹木といった集団で指定されているものはない。
  2. 植物分布の南限地や北限地は、生育条件が劣悪なため、対象となる植物が健全に生育していない場合が多いことから、天然記念物に指定されていない。
  3. 天然記念物の後継樹を育成する場合、後継樹がオリジナルと全く同じ遺伝子を引き継ぐためには、天然記念物から直接採取した種子を用いた苗木を用いる必要がある。
  4. 天然記念物は、動物や植物だけでなく、地質や鉱物で指定されているものもある。
  5. 天然記念物は、文化財保護法に基づいて指定されており、地方公共団体が指定する天然記念物であっても、天然記念物の治療を行う場合は、国の許可が必要である。
R4-26手引き 総論2章・1節・3|保護制度について
設問上の正解4

天然記念物は動物・植物に限られず、地質・鉱物も対象になる。制度の対象範囲を狭く言い切る肢を切ればよい。

  1. ×
    選択肢1

    天然記念物は寺社の老木などの単木だけでなく、天然林、樹叢、並木などの集団も対象になる。

    個体・集団・地域のいずれも指定対象になり得る。
  2. ×
    選択肢2

    植物分布の南限地・北限地は、生物地理上の重要性から指定価値をもち得る。

    生育条件が厳しいことは、分布限界地を指定対象から除く理由にはならない。
  3. ×
    選択肢3

    種子繁殖は減数分裂と受精を経るため、親木と全く同じ遺伝子型にはならない。

    遺伝子型を同じに保つには、挿し木・接ぎ木などの栄養繁殖を用いる。
  4. ○
    選択肢4

    天然記念物には動物・植物だけでなく、地質・鉱物を対象とする指定もある。

  5. ×
    選択肢5

    国指定と地方公共団体指定では根拠法令と手続が異なり、地方指定の治療に国の許可が一律に必要とはいえない。

    指定区分、管理者、許可権者を確認して必要な手続を判断する。
基本解説

指定対象の広さと、後継樹の遺伝を区別する

試験で押さえる事項
  • 樹木関係の指定には単木だけでなく、天然林、樹叢、並木、分布限界地などがある。
  • 種子繁殖では減数分裂と受精を経るため、親木と全く同じ遺伝子型にはならない。遺伝子型を保存するなら挿し木・接ぎ木などの無性繁殖を用いる。
  • 国指定と地方指定は根拠法令と手続が異なる。治療前に、指定者・管理者・許可権者を個別確認する。

樹木医の手引き 第4版 p.29 ES版 7-8頁

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総論 第2章 樹木保護に関する制度第2節・2|都市樹木の特性と保護制度
A深度III手引き 総論2章・2節・2R1-28A|選択肢別判定型

03樹木の保護・保存制度

問題

わが国の樹木の保護・保存制度に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。なお、「樹木保存法」は、「都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律」の略称である。

  1. 特別天然記念物は、天然記念物のうち特に重要なものが指定され、指定されると所有者に代わって国又は地方公共団体が直接管理することとなる。
  2. 天然記念物は、単体の樹木が指定され、植物群落などの樹林地を指定することはできない。
  3. 文化財保護法の規定により天然記念物として指定された樹木は、景観法に基づく景観重要樹木に指定することはできない。
  4. 景観法では、景観重要樹木を伐採又は移植する場合は、市町村長への届出が必要であるとされている。
  5. 樹木保存法に基づき保存樹又は保存樹林が指定された場合、所有者には保存義務が課せられ、これに違反すると罰則が適用される。
R1-28手引き 総論2章・2節・2|都市樹木の特性と保護制度
設問上の正解3

文化財保護法で天然記念物に指定された樹木は、景観法上の景観重要樹木の指定対象から除かれる。既存の強い保護制度との重複を避ける設計である。

  1. ×
    選択肢1

    特別天然記念物に指定されても、所有者に代わって国や自治体が当然に直接管理する制度ではない。

    所有者・管理責任者による管理を基本とし、現状変更等には所定の手続を要する。
  2. ×
    選択肢2

    天然記念物は単木だけでなく、植物群落、樹叢、天然林なども指定できる。

    学術上価値の高い個体・集団・地域が対象となる。
  3. ○
    選択肢3

    文化財保護法により天然記念物に指定された樹木は、景観法上の景観重要樹木の指定対象から除かれ、重複指定しない。

  4. ×
    選択肢4

    景観重要樹木の伐採・移植は、単なる届出ではなく原則として景観行政団体の長の許可を要する。

    通常の管理行為などを除き、伐採・移植には原則として許可が必要である。
  5. ×
    選択肢5

    保存樹・保存樹林の所有者には保存義務があるが、この法律にはその義務違反を直接処罰する罰則規定はない。

    所有者が保存に努め、市町村は助言・援助等を行う。
基本解説

樹木保護制度は、名称ではなく『何を守り、何を制限するか』で区別する

樹木を守る制度は一つではありません。学術的価値を守る文化財保護法、良好な景観を守る景観法、都市の美観風致を維持する樹木保存法では、目的も指定の仕方も異なります。同じ樹木を扱っていても、制度名だけを入れ替えることはできません。試験では、制度ごとに『目的』『指定対象』『指定する者』『伐採・移植などに必要な手続』の四欄を作って読むのが基本です。

この問題で区別する三制度
制度中心となる目的判定の要点
天然記念物学術上価値の高い自然物の保護単木だけでなく植物群落なども対象になり得る。指定後も所有者に代わって国が当然に日常管理するわけではない。
景観重要樹木良好な景観の形成景観行政団体の長が指定し、伐採・移植は原則として許可を要する。単なる届出と決めつけない。
保存樹・保存樹林都市の美観風致の維持所有者には保存義務があるが、違反すれば直ちに罰則という制度ではない。
選択肢を読む順序
  • 『国が直接管理する』『単木だけ』『届出だけ』『必ず罰則』のような強い断定を見つける。
  • その断定を、制度の目的と手続に照らして一つずつ検証する。
  • 天然記念物に指定済みの樹木は景観重要樹木の指定対象から除かれるため、制度の重複を述べた選択肢3が正しい。

樹木医の手引き 第4版 p.40 ES版 9頁

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総論 第2章 樹木保護に関する制度第2節・3|個別指定型樹木保護制度
A深度II手引き 総論2章・2節・3R3-13A|選択肢別判定型

04景観重要樹木

問題

景観法によって指定される景観重要樹木に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 景観重要樹木は、文化財保護法による天然記念物に指定された樹木であっても巨木であれば重複して指定することができる。
  2. 景観重要樹木は、自然景観地域の良好な景観形成と樹木の歴史と文化的価値に寄与することを目的として指定される。
  3. 景観重要樹木は、景観行政団体である市区町村の長が景観計画を定め、その中で景観重要樹木の規定を設けて指定する。
  4. 景観重要樹木の指定には、所有者の意見を聞くこととされ、樹木の所有者や景観整備機構は指定の提案ができる。
  5. 景観重要樹木の指定基準では、普段、容易に見ることができない場所に生育している隠れた樹木を対象としている。
R3-13手引き 総論2章・2節・3|個別指定型樹木保護制度
設問上の正解4

指定に際して所有者の意見を聴き、所有者や景観整備機構が指定を提案できる。景観形成への寄与と、公共側の一方的指定ではない手続の両方が要点である。

  1. ×
    選択肢1

    天然記念物など他法令で保護される樹木は、景観重要樹木として重複指定しない。

    文化財保護法による指定樹木は景観重要樹木の対象外である。
  2. ×
    選択肢2

    景観重要樹木は自然景観地域や歴史・文化的価値だけに限定されず、地域の良好な景観形成に重要な樹木を対象とする。

    地域の景観上重要な樹容をもち、公共の場所から容易に望見できる樹木などが対象となる。
  3. ×
    選択肢3

    指定主体は景観行政団体の長であり、景観行政団体は市区町村に限らず都道府県の場合もある。

    景観計画区域内の樹木を、景観行政団体の長が指定する。
  4. ○
    選択肢4

    指定時には所有者の意見を聴くこととされ、所有者または景観整備機構は指定を提案できる。

  5. ×
    選択肢5

    指定基準は、道路その他の公共の場所から公衆が容易に望見できることを重視する。

    普段容易に見えない隠れた樹木ではなく、地域景観を形成する視認性の高い樹木が基本である。
基本解説

景観重要樹木は『所有者の意見+指定提案』を押さえる

試験で押さえる事項
  • 指定主体は景観行政団体の長。景観行政団体は市町村とは限らず、都道府県の場合もある。
  • 天然記念物など他法令で保護される樹木は重複指定の対象外となる。
  • 道路など公共の場所から容易に望見でき、地域の良好な景観形成に重要であることが基本。『隠れて見えないこと』は指定理由にならない。
  • 歴史・文化的価値だけに限定された制度ではない。樹容や地域景観との関係を評価する。

樹木医の手引き 第4版 p.41 ES版 9-10頁

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総論 第2章 樹木保護に関する制度第2節・3|個別指定型樹木保護制度
A深度II手引き 総論2章・2節・3R5-14A|選択肢別判定型

05保存樹制度

問題

『都市の美観風致を維持するための樹木の保存に関する法律』により指定される保存樹に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 市街化調整区域の樹木を対象として市町村からの申請に基づき都道府県知事が指定する。
  2. 都市の美観風致を維持するために健全な環境の維持及び向上に寄与することを目的に指定する。
  3. 指定は単木を対象としており、樹林を指定することはできない。
  4. 指定に伴い、保存義務は所有者から自治体へ移行する。
  5. 良好な景観を形成する景観重要樹木や文化財指定の樹木であっても重複して指定することができる。
R5-14手引き 総論2章・2節・3|個別指定型樹木保護制度
設問上の正解2

保存樹制度の目的は、都市の美観風致を維持し、健全な生活環境の維持・向上に寄与することにある。

  1. ×
    選択肢1

    保存樹・保存樹林は、法律上の対象区域内で市町村長が指定する。都道府県知事が市町村の申請に基づき指定する制度ではない。

    指定主体は市町村長である。
  2. ○
    選択肢2

    都市の美観風致を維持し、健全な生活環境の維持・向上に寄与することが保存樹制度の目的である。

  3. ×
    選択肢3

    単木の保存樹だけでなく、樹木の集団を保存樹林として指定できる。

    一定規模以上の樹林も指定対象となる。
  4. ×
    選択肢4

    指定後も所有権や保存義務が自治体へ移るわけではなく、所有者が保存に努める。

    自治体は必要な助言・援助等を行うが、保存主体は所有者である。
  5. ×
    選択肢5

    景観重要樹木や文化財指定樹木など、他制度で保護されるものとの重複指定には制限がある。

    既存の保護指定との重複を避けて制度を適用する。
基本解説

保存樹は、指定後も所有者が保存する

試験で押さえる事項
  • 市町村長が、法律上の区域・基準に該当する樹木または樹木の集団を指定する。単木だけでなく保存樹林もある。
  • 指定されても所有権や保存義務が自治体へ移るわけではなく、所有者が保存に努める。
  • 文化財や景観重要樹木など、別制度で保護されるものとの重複指定には制限がある。

樹木医の手引き 第4版 p.41 ES版 9-10頁

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総論 第2章 樹木保護に関する制度第3節|自然保護に関する制度
C深度II手引き 総論2章・3節R5-05A|選択肢別判定型

06植物防疫所と植物検疫

問題

わが国の植物防疫所は、日本の植物に被害をもたらす海外からの病害虫の侵入を防ぐため、植物に対して港や空港などで検疫を行っている。植物防疫所に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 国内の病害虫の対策については、植物防疫所の業務外であり、環境省自然環境局が担当している。
  2. 植物防疫所は、輸出する植物に対する輸出検疫は行っておらず、輸出先の国での検疫を受けることになっている。
  3. ワシントン条約は、植物防疫に関する国際条約で、世界の植物に深刻な被害をもたらすおそれのある病害虫の国際取引を規制している。
  4. 苗木や切花、果実、野菜類などの生きている植物については、どのような植物であっても検査を行うことで、輸入が可能である。
  5. 木工品や製茶など高度に加工され、病害虫の付着するおそれのないものは、輸入時の検疫が不要である。
R5-05手引き 総論2章・3節|自然保護に関する制度
設問上の正解5

高度に加工され、病害虫が付着・生存するおそれがない木工品や製茶などは、通常の植物検疫の対象外となる。

  1. ×
    選択肢1

    植物防疫所は輸入検疫だけでなく、国内で発生した重要病害虫のまん延防止や緊急防除にも関与する。

    国内防除は植物防疫行政の一部であり、環境省自然環境局だけの担当ではない。
  2. ×
    選択肢2

    輸出相手国の要求に適合することを確認し、植物検査証明書を発給する輸出検疫も植物防疫所の業務である。

    必要に応じて日本の植物防疫所で輸出検査を受ける。
  3. ×
    選択肢3

    ワシントン条約は、絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引を規制する条約であり、植物病害虫の侵入防止を目的としない。

    植物防疫と希少野生動植物の取引規制を区別する。
  4. ×
    選択肢4

    生きた植物でも、輸入禁止品や輸出国政府機関の検査証明書を要するものがあり、検査を受ければ必ず輸入できるわけではない。

    品目・生産国ごとの禁止条件、検査証明書、輸入検査の要否を確認する。
  5. ○
    選択肢5

    高度に加工され、病害虫が付着・生存するおそれのない木工品や製茶などは、植物検疫の対象外となる。

基本解説

植物検疫は、輸入だけでなく輸出・国内防除も視野に入れる

試験で押さえる事項
  • 植物防疫所は輸入検疫、輸出相手国の条件に応じた輸出検疫、国内での重要病害虫対策などを担う。
  • 生きた植物なら検査さえ受ければ必ず輸入できるわけではない。輸入禁止品や、輸出国政府機関の検査証明書を要する品がある。
  • ワシントン条約は絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引を規制する条約で、病害虫侵入防止を目的とする植物検疫条約ではない。
用語を押さえる
植物検疫
植物や植物産品に付着する病害虫の国境を越えた移動を防ぐ仕組み。『植物そのものの希少性保護』とは目的が違う。

樹木医の手引き 第4版 p.57 ES版 11-13頁

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総論 第2章 樹木保護に関する制度第4節・3|保安林の制度
C深度II手引き 総論2章・4節・3R4-14A|選択肢別判定型

07保安林

問題

次の保安林に関する記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 土砂流出防備保安林は、砂防ダムに堆積した岩石や河原の砂礫などの流出を防ぐための森林で、河辺林が指定される。
  2. 水害防備保安林は、堤防の崩壊による河川の氾濫を防ぐための森林で、堤防の天端や堤内側(住居や農地側)の斜面の並木や樹林が指定される。
  3. 干害防備保安林は、用水源の局所的な渇水を防止するための森林で、用水路や溜池周辺の森林が指定される。
  4. 防霧保安林は、樹幹や枝葉によって障壁を形成して空気の流れを整え、霧粒を流すことで霧の発生を防ぐための森林で、霧の発生しやすい地域の森林が指定される。
  5. 魚つき林は、渓流の魚類の生息と繁殖のための森林で、河岸の浸食を防ぐ山地の河川流域にある森林が指定される。
R4-14手引き 総論2章・4節・3|保安林の制度
設問上の正解3

干害防備保安林は、用水源の枯渇を防ぎ、水の確保に役立つ森林で、用水路・ため池などの周辺が典型となる。

  1. ×
    選択肢1

    土砂流出防備保安林は、斜面の土壌や土砂の流出を抑える森林であり、砂防ダム内の堆積岩石や河原の砂礫を直接固定するものではない。

    山地斜面の表土流出を防ぎ、下流への土砂流出を軽減する。
  2. ×
    選択肢2

    水害防備保安林は、河岸・氾濫原などで洪水時の流勢を弱め、水害を防ぐ森林である。堤防天端や堤内側の並木に限定されない。

    洪水の流速・流勢を緩和し、氾濫被害を軽減する森林として理解する。
  3. ○
    選択肢3

    干害防備保安林は用水源の局所的な渇水・枯渇を防ぐ目的をもち、用水路やため池周辺の森林が典型である。

  4. ×
    選択肢4

    防霧保安林は枝葉で霧粒を捕捉し、霧による被害を軽減する。霧粒を流して霧の発生自体を防ぐものではない。

    霧の発生防止ではなく、霧の移動・濃度や付着による被害の軽減が目的である。
  5. ×
    選択肢5

    魚つき保安林は河川だけでなく海岸・湖沼等も含め、陰影、落下昆虫・有機物、水質・水量の保全を通じて魚類の生息を助ける。

    河岸侵食防止に限定せず、水域の魚類生息環境を保全する森林と捉える。
基本解説

保安林名を、守る対象から逆算する

整理表
保安林守る対象・働き
土砂流出防備斜面土壌の流出を抑える。砂防ダム内の堆積物を直接固定する制度ではない。
水害防備洪水時の流勢を弱め、氾濫被害を軽減する。堤防上の並木という説明に限定しない。
干害防備水源・用水の枯渇を防止する。
防霧霧粒を枝葉で捕捉し、霧による被害を軽減する。霧そのものの発生を止めるのではない。
魚つき水面への陰影、栄養供給、水質・水量の保全などを通じて魚類の生息を助ける。渓流だけに限定されない。

樹木医の手引き 第4版 p.64 ES版 14-15頁

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