01樹木の発根促進
樹木の発根促進に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。
- 根系成長を促進させるオーキシン濃度は、地上部の成長を促進させる濃度の10倍から100倍の濃度である。
- 根の環状剥皮法により、木部を降下してきた光合成産物やオーキシン、サイトカイニンが剥皮部より根元側で蓄積して側根が発生する。
- 根回し後の発根促進には可給態養分が必要なので、堆肥ではなく化成肥料を施用する。
- 断根法は、根鉢範囲を目安にバックホウのバケットを使って根を切断し、根元から細根を発生させる方法である。
- 断根法において蒸散抑制のために行われる強剪定によって、発根が抑制されることがある。
断根後の蒸散抑制を狙った強剪定でも、葉による光合成と芽由来のオーキシン供給を減らし、根と地上部の回復をかえって抑えることがある。
基本解説
断根後の回復は、蒸散を減らすだけでなく発根に必要な葉・芽・糖を残す釣合い
根を切ると吸水できる細根量が減るため、移植や根回しでは地上部の水損失との釣合いを考えます。しかし枝葉を強く減らせば常に安全とは限りません。葉は光合成産物をつくり、若い芽や葉で生じるオーキシンは師部を通って基部側へ移動し、適切な濃度で不定根・側根形成へ関わります。強剪定で蒸散は減っても、発根に必要な炭素源と信号まで大きく減らし、根の再生を遅らせることがあります。
発根処置の生理を整理する
| 論点 | 正しい考え方 |
|---|---|
| オーキシン濃度 | 根は地上部より低い濃度で伸長が促進され、高濃度では伸長が抑制され得る |
| 根の環状剥皮 | 師部を下がる糖・オーキシンが剥皮部の根元側ではなく上側へ蓄積する |
| サイトカイニン | 主に根で合成され木部を上昇し、地上部と根の成長配分へ関わる |
| 施肥 | 吸収根が少ない時期は塩類濃度を上げ過ぎず、資材・量・時期を慎重に選ぶ |
| 断根作業 | 根を引き裂かず、露出した根を鋭利な刃物で滑らかに切り戻す |
過度な強剪定の逆効果
樹木医の手引き 第4版 p.607 ES版 84-85頁