01地形と土壌
地形と土壌に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。
- 一般に扇状地では三角州と比較して土壌の透水性が低い。
- 沖積平野のような平坦な地形では土壌の水湿状態はほぼ一定である。
- 上昇斜面では下降斜面よりも残積土が浅い傾向にある。
- 水積土は礫の間に粘土が密に充填され、物理性はよくないことが多い。
- 台地上では浸食の影響で火山灰の堆積はみられない。
- ×
- ×
- ×選択肢3
上昇斜面と下降斜面では侵食・堆積・排水条件が異なり、上昇斜面の残積土が一律に浅いという関係ではない。
斜面形による物質移動と土層厚の傾向を、現地の侵食・堆積状況と合わせて判断する。 - ○選択肢4
水積土では、礫があってもその間を粘土などの細粒物が密に埋めると孔隙が連続せず、通気・透水・根の伸長に不利になることが多い。
- ×選択肢5
安定した平坦な台地面では火山灰が保存・堆積し得る。浸食により必ず失われるわけではない。
斜面の侵食部と、堆積物が残りやすい台地面を区別する。
基本解説
地形は、水の流れと土粒子の運搬・堆積を通じて根域の物理性を決める
土壌は、その場の岩石が風化して残る場合と、水・重力・風などで運ばれた物質が堆積してできる場合があります。地形を読むと、水が集まるか抜けるか、粗い礫が堆積するか細かな粘土がたまるか、表土が侵食されるか保存されるかを推定できます。平坦に見える土地でも数十cm~数mの微地形差が水湿状態を大きく変えます。
地形と土壌の基本関係
| 地形・土壌 | 形成と物理性 |
|---|---|
| 扇状地 | 河川が山地から出た場所で砂礫が多く堆積し、三角州より一般に透水性が高い |
| 沖積平野 | 自然堤防などの微高地と後背湿地で、土性・地下水位・水湿状態が異なる |
| 水積土 | 流水で運ばれた礫の隙間を粘土など細粒物が密に埋め、孔隙の連続性が悪い場合がある |
| 台地 | 安定した平坦面では火山灰が保存・堆積し得る |
水積土に礫が多いからといって必ず排水良好とは限りません。礫の間が細粒の粘土で密に充填されると、水と空気の通路が途切れ、根の伸長、通気、透水に不利になります。粒径の種類だけでなく、隙間がどう連続しているかを見ることが重要です。
樹木医の手引き 第4版 p.513 ES版 74頁