TREE DOCTOR EXAM · SYSTEMATIC REFERENCE V6.0.1

各論 第7章 樹木と動物のかかわり

収録22問。ワイド画面では左に問題、右に正答・解説を表示し、狭い画面では縦方向に読み進められます。

各論 第7章 樹木と動物のかかわり

各問題のランク・深度は詳細分析の正本です。学習状態は明示的に選択してください。

各論 第7章 樹木と動物のかかわり第1節|樹木と動物の共生関係
C深度II手引き 各論7章・1節R5-07B|全体整理型

01動物による種子散布・貯食

問題

動物の中には、樹木の種子を運搬して貯蔵する習性をもつものがいる。発芽に好適な場所に埋められ、食べ残されると、実生発生と分布拡大に寄与することになる。次のうち、このような動物の組み合わせとして、正しいのはどれか。

  1. ツキノワグマ、カケス、エゾヤチネズミ
  2. ニホンリス、ヤマガラ、ヒメネズミ
  3. クリハラリス、ウソ、アカネズミ
  4. ニホンノウサギ、アカゲラ、ハタネズミ
  5. イノシシ、メジロ、ヤチネズミ
R5-07手引き 各論7章・1節|樹木と動物の共生関係
設問上の正解2

ニホンリス、ヤマガラ、ヒメネズミはいずれも堅果などを運んで分散貯蔵し、回収されなかった種子が発芽することで樹木の更新・分布拡大に寄与する。

基本解説

貯食型散布は、運ぶ・埋める・食べ残すの三条件

動物が種子を母樹から運ぶ地中・落葉下など複数地点に貯蔵する一部を回収せず食べ残す捕食を免れた種子が発芽・定着する
試験で押さえる事項
  • 動物散布は果肉を食べる被食型だけではない。堅果を貯食する行動も散布になる。
  • 種子を食べる動物すべてが散布者ではない。種子を破壊するだけ、貯蔵しない、発芽不適地へ置く場合は更新寄与が小さい。
  • カケスなども貯食散布者として重要だが、組合せ全体で判定する。
用語を押さえる
分散貯蔵
餌を一か所でなく多数の場所へ小分けに隠す行動。未回収の種子が発芽する可能性を生む。

樹木医の手引き 第4版 p.305 ES版 62頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・1|緑化樹木の虫害
B深度II手引き 各論7章・2節・1H30-05B|全体整理型

02緑化樹木害虫の分類(目)

問題

緑化樹木を加害する害虫の主要な目はおおむね8目あり、昆虫の分類や生態を知ることは、その対処方法を検討・実施するためにきわめて重要である。林内に生息する以下の写真の昆虫と分類学的に最も近い(目が同じ)昆虫種として正しいのはどれか。写真の昆虫名を問う問題ではないことに注意すること。

H30-Q05の原本設問図版
原本から切り出した設問図版
  1. モンクロシャチホコ
  2. クロネハイイロハマキ
  3. マツツマアカシンムシ
  4. モンクキバチ
  5. クビアカツヤカミキリ
H30-05手引き 各論7章・2節・1|緑化樹木の虫害
設問上の正解4

写真の昆虫はハチ目の特徴を示し、選択肢ではモンクキバチが同じハチ目である。問題は写真の種名ではなく、分類学上の目を問う。

基本解説

種名を当てる前に、翅と体のつくりから『目』を決める

整理表
試験で押さえる事項
  • ハチ目は膜質の二対の翅をもち、キバチ類では細い『ハチ腰』が目立たないこともある。
  • コウチュウ目は前翅が硬い上翅になり、背面で左右が合わさる。
  • チョウ目は翅が鱗粉に覆われる。成虫写真では翅の質を優先して見る。

樹木医の手引き 第4版 p.312 ES版 63頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・1|緑化樹木の虫害
B深度II手引き 各論7章・2節・1R4-07B|全体整理型

03カメムシ目の分類

問題

樹木を加害する昆虫は、様々な目(もく:分類学上の単位)に属している。次のうち、カメムシ目の種類の組み合わせとして、正しいのはどれか。

  1. アザミウマ類、カイガラムシ類、キジラミ類
  2. アザミウマ類、キジラミ類、ハゴロモ類
  3. キジラミ類、ハゴロモ類、アワフキムシ類
  4. ハゴロモ類、アワフキムシ類、トビムシ類
  5. アワフキムシ類、カイガラムシ類、トビムシ類
R4-07手引き 各論7章・2節・1|緑化樹木の虫害
設問上の正解3

キジラミ類、ハゴロモ類、アワフキムシ類はいずれもカメムシ目で、植物体へ口針を刺して吸汁する。

基本解説

カメムシ目は、刺吸式口器をもつ群でまとめる

整理表
群分類主な加害
キジラミ・ハゴロモ・アワフキムシ・カイガラムシカメムシ目吸汁、排泄物、すす病誘発など
アザミウマアザミウマ目表皮細胞等を傷つけ吸汁
トビムシトビムシ目などとして扱う六脚類カメムシ目ではない

樹木医の手引き 第4版 p.312 ES版 63頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・1|緑化樹木の虫害
C深度II手引き 各論7章・2節・1R4-20B|全体整理型

04「二次○○」用語

問題

樹木医学等で用いられる「二次○○」という用語に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 樹木を加害する昆虫のうち、健全な樹木では成育できず、衰弱あるいは枯死した樹木から栄養を摂取して成育する昆虫を二次性昆虫という。
  2. 既存植生が失われた跡地で、自然散布された種子の発芽によらず、人が持ち込んだ種子や苗によって植生が回復する過程を二次遷移という。
  3. 細胞表面に構築された一次壁だけでなく、その外側に肥厚した二次壁をもつ細胞からなる木部を二次木部という。
  4. 環境を汚染する物質のうち、硫化水素やメタンガスなど、天然には存在せず化学的に作り出された有害物質を二次汚染物質という。
  5. 植物体内で産生される物質のうち、細胞内では生合成されず、細胞外の代謝反応で生合成される物質を二次代謝産物という。
R4-20手引き 各論7章・2節・1|緑化樹木の虫害
設問上の正解1

二次性昆虫は、健全木では成育しにくく、衰弱木・枯死木などを主に利用する昆虫を指す。発生は先行する樹勢低下の手掛かりになり得る。

基本解説

『二次』は分野ごとに意味が違う

整理表
用語正しい意味
二次性昆虫衰弱木・枯死木を主に利用する昆虫
二次遷移攪乱後も土壌・種子・根などが残る場所で植生が回復する過程
二次木部維管束形成層が内側へ形成する木部
二次汚染物質一次汚染物質が環境中で反応して生成する汚染物質
二次代謝産物防御・情報伝達などに働く、一次代謝から派生した化合物
試験で押さえる事項
  • 穿孔性昆虫すべてが二次性とは限らず、健全木を加害できる一次性昆虫もいる。
  • 診断では『二次性昆虫が木を弱らせた』と即断せず、乾燥、根系障害、腐朽など先行原因を探す。

樹木医の手引き 第4版 p.312 ES版 63頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・2|被害診断と防除
A深度II手引き 各論7章・2節・2H30-06B|全体整理型

05害虫の加害様式と昆虫種

問題

次のうち、害虫の加害様式と昆虫種の組み合わせとして、正しいのはどれか。

  1. 葉に潜って食害する-ヒラアシハバチ
  2. 新梢に穿入して食害する-ルリチュウレンジ
  3. 幹、枝に穿入して食害し、木屑を出す-ゴマフボクトウ
  4. 枝に虫こぶを形成する-スギザイノタマバエ
  5. 葉を吸汁して、黄褐色に変色させる-チャバネアオカメムシ
H30-06手引き 各論7章・2節・2|被害診断と防除
設問上の正解3

ゴマフボクトウ幼虫は幹・枝へ穿入し、虫糞と木屑が混じったフラスを孔外へ排出する。

基本解説

被害部位→食べ方→排出物の順で害虫を絞る

整理表
加害様式診断手掛かり
食葉性葉を外側から食べ、欠刻・食痕・糞を残す
潜葉性葉肉内へ潜り、線状・斑状の潜孔をつくる
穿孔性新梢・枝・幹内部へ入り、侵入口やフラスを残す
吸汁性口針で吸汁し、退色・変形・甘露・すす病を生じる
虫えい形成植物組織を異常成長させ、こぶをつくる
試験で押さえる事項

樹木医の手引き 第4版 p.314 ES版 63-64頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・2|被害診断と防除
A深度III手引き 各論7章・2節・2R1-07B|全体整理型

06プラタナス害虫の加害様式

問題

次は、プラタナスの樹皮下で越冬していた昆虫の写真である。この昆虫の加害様式として、正しいのはどれか。

R1-Q07の原本設問図版
原本から切り出した設問図版
  1. 葉に潜って食害する。
  2. 葉から吸汁して変色させる。
  3. 新梢に穿入して食害する。
  4. 新梢に虫こぶを形成する。
  5. 内樹皮に穿入して食害する。
R1-07手引き 各論7章・2節・2|被害診断と防除
設問上の正解2

写真はプラタナスグンバイで、樹皮下で越冬するが、生育期には葉裏から吸汁し、葉を白っぽく退色・変色させる。

基本解説

昆虫を見つけた場所と、実際に加害する場所・季節を分けて考える

写真の昆虫はプラタナスグンバイです。成虫は寒い時期にプラタナスの樹皮の隙間などへ潜って越冬しますが、樹皮を食べるためにそこにいるわけではありません。展葉後は葉へ移動し、主に葉裏から口針を差し込んで細胞内容を吸汁します。昆虫の採集場所だけから加害部位を決めず、季節ごとの生活史を追います。

越冬から被害発生まで
成虫が樹皮の割れ目などで越冬する春の展葉後に葉へ移動する葉裏から吸汁して葉緑体を含む細胞を傷める葉表に白色~黄白色のかすり状斑が現れる多発すると葉の機能低下、早期落葉、樹勢低下につながる
現場で確認する痕跡
  • 葉表の退色斑だけでなく、葉裏の成虫・幼虫・脱皮殻を探す。
  • 葉裏に黒い排泄物が付くことも識別の手掛かりになる。
  • 穿孔痕、潜葉痕、虫こぶがないかを確認し、別の加害様式を除外する。

樹木医の手引き 第4版 p.314 ES版 63-64頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・2|被害診断と防除
A深度II手引き 各論7章・2節・2R3-07B|全体整理型

07食葉性害虫

問題

樹木の葉を食害する昆虫を食葉性害虫という。次の食葉性害虫のうち、(A)昆虫種、(B)幼虫における体表面の長毛の有無、(C)産卵様式の組み合わせとして、正しいのはどれか。

  1. (A)ルリチュウレンジ (B)長毛なし (C)1粒ずつ産卵
  2. (A)マイマイガ (B)長毛あり (C)1粒ずつ産卵
  3. (A)オオスカシバ (B)長毛なし (C)塊状に産卵
  4. (A)クスサン (B)長毛あり (C)塊状に産卵
  5. (A)アメリカシロヒトリ (B)長毛なし (C)塊状に産卵
R3-07手引き 各論7章・2節・2|被害診断と防除
設問上の正解4

クスサン幼虫は長毛をもち、雌は卵をまとまりとして産む。

基本解説

幼虫の毛と、卵が一個か塊かを二軸で見る

整理表
昆虫幼虫の毛産卵の要点
クスサン長毛あり卵塊。正答
マイマイガ長毛あり卵塊なので『1粒ずつ』は誤り
アメリカシロヒトリ長毛あり卵塊。選択肢は毛の有無が誤り
オオスカシバ長毛なし単独産卵が基本で、塊状ではない
試験で押さえる事項
  • 毒針毛の有無と、外見上の長毛の有無は別問題。毛虫=すべて触れると毒、ではない。
  • 発生初期は卵塊・若齢幼虫の集団を除去でき、防除効率が高い。

樹木医の手引き 第4版 p.314 ES版 63-64頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・2|被害診断と防除
C深度I手引き 各論7章・2節・2R3-08B|全体整理型

08クリタマバチの虫えい

問題

次の写真は、紡錘形に膨らんだクリの新芽である。この中に生息する昆虫類として、正しいのはどれか。

R3-Q08の原本設問図版
原本から切り出した設問図版
  1. アブラムシ類
  2. ハエ類
  3. ハチ類
  4. ガ類
  5. ゾウムシ類
R3-08手引き 各論7章・2節・2|被害診断と防除
設問上の正解3

写真の紡錘形~球状に膨れたクリの新芽はクリタマバチによる虫えいで、内部にはハチ目昆虫の幼虫が生息する。

基本解説

クリ新芽の球状虫えい=クリタマバチ

芽組織へ産卵幼虫の刺激で植物組織が異常成長新芽に虫えい形成枝葉の展開が阻害され、着果・成長が低下
試験で押さえる事項
  • 虫えいを見たら、寄主樹種、形成部位、形、色、発生時期を組み合わせて判定する。
用語を押さえる
虫えい(虫こぶ)
昆虫などの刺激により、植物組織が局所的に異常成長した構造。形・寄主・形成部位が同定手掛かりになる。

樹木医の手引き 第4版 p.314 ES版 63-64頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・2|被害診断と防除
C深度II手引き 各論7章・2節・2R3-09A|選択肢別判定型

09日本のシロアリ

問題

日本国内には数種のシロアリが生息している。シロアリに関する次の記述のうち、正しいのはどれか。

  1. 分類学上、シロアリはハチに近縁であり、職蟻の腰はくびれており、触角は数珠状である。
  2. シロアリは、地中に多くの蟻道を構築して食害し、キクイムシ等のように、木屑をそのまま外部に排出する。
  3. シロアリの蟻道は、土壌と唾液成分の混合物であるため、物理的強度に乏しく、壊れやすい。
  4. ヤマトシロアリと比較して、イエシロアリの食害は甚大であり、街路樹等の生立木への営巣も見られる。
  5. イエシロアリは、ほぼ日本全国に分布しているが、ヤマトシロアリは、関東以西の温暖な地域に生息している。
R3-09手引き 各論7章・2節・2|被害診断と防除
設問上の正解4

イエシロアリは大きなコロニーを形成し、ヤマトシロアリより被害が甚大になりやすい。街路樹などの生立木へ営巣することもある。

  1. ×
    選択肢1

    シロアリはゴキブリに近縁で、ハチのようなくびれた腰をもたない。数珠状の触角は特徴だが、前半が誤りである。

    ゴキブリ目シロアリ下目として、ずん胴の体と数珠状触角を覚える。
  2. ×
    選択肢2

    シロアリは土や分泌物で蟻道をつくって内部を移動し、キクイムシのように木粉を外へ大量に排出することを典型とはしない。

    蟻道、食害痕、羽アリ、土砂の持込みを診断点にする。
  3. ×
    選択肢3

    土と唾液等で構築される蟻道は、乾燥や外敵を避けるための比較的強固な被覆通路であり、容易に崩れることを本質としない。

    蟻道は地中の巣と餌場を安全につなぐ生活構造である。
  4. ○
    選択肢4

    イエシロアリはヤマトシロアリより大規模な集団を形成して被害が激しくなりやすく、街路樹などの生立木内部に営巣することもある。

  5. ×
    選択肢5

    分布の説明が逆である。ヤマトシロアリの方が国内で広く分布し、イエシロアリは主に温暖な地域に分布する。

    広域分布のヤマトシロアリ、温暖地中心で大規模加害のイエシロアリと対比する。
基本解説

シロアリは社会性のあるゴキブリ類に近縁

試験で押さえる事項
  • シロアリはハチ・アリよりゴキブリ類に近縁。職蟻の腰はくびれず、触角は数珠状。
  • 地下や材内に蟻道を作り、土や排泄物・唾液等で被覆する。木屑をそのまま外へ大量排出するキクイムシ型とは異なる。
  • 蟻道は外敵・乾燥から守るため比較的強固に作られる。
  • ヤマトシロアリは北海道の一部を除く広域、イエシロアリは主に関東以西の暖地に分布する。選択肢5は逆。
用語を押さえる
蟻道
シロアリが土・排泄物・唾液などで作るトンネル。光や乾燥を避けて移動する。

樹木医の手引き 第4版 p.314 ES版 63-64頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・2|被害診断と防除
B深度I手引き 各論7章・2節・2R3-10B|全体整理型

10コウチュウ目害虫の体長

問題

次のうち、コウチュウ目の昆虫種の成虫について、体長(頭部先端から腹部末端までの長さ)の小さなものから大きなものへ並べた組み合わせとして、正しいのはどれか。

  1. ハンノキキクイムシ<カシノナガキクイムシ<ヒメコガネ<マツノマダラカミキリ<クワカミキリ
  2. ハンノキキクイムシ<カシノナガキクイムシ<ヒメコガネ<クワカミキリ<マツノマダラカミキリ
  3. カシノナガキクイムシ<ハンノキキクイムシ<ヒメコガネ<マツノマダラカミキリ<クワカミキリ
  4. カシノナガキクイムシ<ハンノキキクイムシ<クワカミキリ<ヒメコガネ<マツノマダラカミキリ
  5. カシノナガキクイムシ<ハンノキキクイムシ<マツノマダラカミキリ<ヒメコガネ<クワカミキリ
R3-10手引き 各論7章・2節・2|被害診断と防除
設問上の正解1

小さい順に、ハンノキキクイムシ<カシノナガキクイムシ<ヒメコガネ<マツノマダラカミキリ<クワカミキリとなる。

基本解説

穿孔性甲虫は、キクイムシ→コガネムシ→カミキリの順

整理表
昆虫体長の目安・比較
ハンノキキクイムシ数mm級で最小
カシノナガキクイムシ約5mm前後
ヒメコガネ1cm強
マツノマダラカミキリ2~3cm級
クワカミキリ3cmを超える大型種で最大
試験で押さえる事項
  • 精密なmm値より、キクイムシ類は小型、カミキリ類は大型という階級を先に覚える。
  • 穿入孔径やフラス粒径は、加害種の大きさを推定する現場情報になる。

樹木医の手引き 第4版 p.314 ES版 63-64頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・2|被害診断と防除
A深度II手引き 各論7章・2節・2R4-08B|全体整理型

11穿孔性昆虫と穿孔部位

問題

樹木の幹や枝、新梢などに孔を穿つ昆虫を穿孔性昆虫という。次のうち、穿孔性昆虫種と穿孔部位の組み合わせとして、正しいのはどれか。

  1. マツノシンマダラメイガ:幹
  2. ハンノキキクイムシ:新梢
  3. モンクキバチ:幹
  4. コスカシバ:幹
  5. コウモリガ:新梢
R4-08手引き 各論7章・2節・2|被害診断と防除
設問上の正解4

コスカシバ幼虫はサクラ類などの幹・枝の樹皮下へ穿入し、樹脂や虫糞を伴う被害を生じる。

基本解説

穿孔性害虫は、新梢・枝・幹を分けて覚える

試験で押さえる事項
  • 『穿孔性』だけでは防除時期を決められない。侵入部位、幼虫期間、成虫発生期を確認する。
  • 新梢害虫では先端のしおれ・枯れ、幹害虫では樹液、フラス、穿入孔、樹皮の異常などが手掛かり。
  • 樹種と部位の組合せを一つの診断単位として保持する。
用語を押さえる
穿孔性昆虫
幼虫または成虫が植物組織の内部へ孔道を作って加害する昆虫。

樹木医の手引き 第4版 p.314 ES版 63-64頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・2|被害診断と防除
B深度III手引き 各論7章・2節・2R4-09C|重点誤答型

12クビアカツヤカミキリとマツノマダラカミキリ

問題

近年、クビアカツヤカミキリによる樹木枯損が問題になっている。次のうち、クビアカツヤカミキリがマツノマダラカミキリと共通する点として、正しいのはどれか。

  1. 外国から侵入した昆虫である。
  2. 北海道を除く、全国各地に生息している。
  3. 主に針葉樹を加害する。
  4. 孵化した幼虫は、通常約2年後に成虫になる。
  5. 成虫の触角はメスよりオスの方が長い。
R4-09手引き 各論7章・2節・2|被害診断と防除
設問上の正解5

クビアカツヤカミキリとマツノマダラカミキリはいずれも、成虫の触角が雌より雄で長い。

注意すべき選択肢

1

クビアカツヤカミキリは外来種だが、マツノマダラカミキリは日本に自然分布する。同じカミキリムシ科でも来歴を共通化しない。

3

クビアカツヤカミキリは主にサクラ・ウメ・モモ等のバラ科樹木を加害し、針葉樹主体ではない。バラ科広葉樹とマツ類という主要寄主の違いを対比する。

4

発育期間は種と環境で異なり、両種とも通常約2年と共通化できない。共通する形態と、異なる生活史を別の欄で整理する。

基本解説

二種のカミキリムシは、共通形質と異なる生態を別の欄で比較する

クビアカツヤカミキリとマツノマダラカミキリは、どちらもカミキリムシ科ですが、来歴、寄主、被害の仕組み、発育期間は同じではありません。『同じ科だから生活史も同じ』と広げず、設問が求める共通点だけを比較表の同じ行で確認します。成虫の雌雄差として、両種とも雄の触角が雌より長いことが共通します。

共通点と相違点
比較項目クビアカツヤカミキリマツノマダラカミキリ
来歴国外から侵入した外来種日本に自然分布する在来種
主な寄主サクラ、ウメ、モモなどバラ科樹木主にマツ類
被害幼虫の穿孔で形成層周辺を傷め、衰弱・枯死させる幼虫の穿孔に加え、成虫がマツノザイセンチュウを媒介する
雌雄の触角雄の方が長い雄の方が長い
誤答の断定を点検する
  • マツノマダラカミキリまで外来種とする選択肢1は誤り。
  • クビアカツヤカミキリの分布を北海道を除く全国と一律に広げない。
  • クビアカツヤカミキリは主にバラ科広葉樹を加害し、針葉樹主体ではない。
  • 発育期間は環境などで変わり、両種共通の『通常約2年』とはいえない。

樹木医の手引き 第4版 p.314 ES版 63-64頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第2節・2|被害診断と防除
A深度II手引き 各論7章・2節・2R5-08B|全体整理型

13吸汁性昆虫と吸汁部位

問題

樹木の幹や枝、新梢、葉に口器を突き刺し、汁を吸う昆虫を吸汁性昆虫という。次のうち、吸汁性昆虫種と吸汁部位の組み合わせとして、正しいのはどれか。

  1. マメアブラムシ:種子
  2. トビイロマルカイガラムシ:幹・枝
  3. ツノロウムシ:幹・枝
  4. カツラマルカイガラムシ:葉
  5. アオバハゴロモ:葉
R5-08手引き 各論7章・2節・2|被害診断と防除
設問上の正解3

ツノロウムシは幹・枝へ定着して吸汁し、多発すると樹勢を低下させ、甘露によりすす病を誘発する。

基本解説

カイガラムシ類は、定着部位までセットで覚える

整理表
昆虫主な吸汁部位の整理
ツノロウムシ幹・枝。正答
マメアブラムシ新梢・葉など。種子との組合せではない
トビイロマルカイガラムシ葉などに寄生する例として整理
カツラマルカイガラムシ枝・幹など。葉との組合せではない
アオバハゴロモ若い枝・新梢など。単に葉としない
試験で押さえる事項
  • 吸汁痕だけでなく、虫体の固着、白い蝋、甘露、すす病、アリの往来を観察する。

樹木医の手引き 第4版 p.314 ES版 63-64頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第3節・3|媒介昆虫
B深度III手引き 各論7章・3節・3H30-07B|全体整理型

14マツノマダラカミキリの産卵・幼虫

問題

次は、マツノマダラカミキリの産卵と幼虫発育に関する記述であるが、文中のA~Eの空欄を埋める用語の組み合わせとして、正しいのはどれか。

マツノマダラカミキリの雌成虫は、マツの(A)の樹幹~枝に(B)でスリット状の傷を付け、そこに卵を産む。卵から孵化した幼虫は、初期には(C)を、その後は(D)も食害して成長する。(C)を餌としている初期の幼虫の糞は褐色の粉状であるが、(D)を食べるようになると、繊維状の材片が混じるようになる。このような木屑混じりの虫糞を(E)と呼ぶ。

  1. A:衰弱木 B:大あご C:内樹皮 D:辺材 E:フラス
  2. A:衰弱木 B:産卵管 C:内樹皮 D:辺材 E:ペリット
  3. A:健全木 B:大あご C:内樹皮 D:辺材 E:フラス
  4. A:衰弱木 B:大あご C:辺材 D:心材 E:フラス
  5. A:健全木 B:産卵管 C:辺材 D:心材 E:ペリット
H30-07手引き 各論7章・3節・3|媒介昆虫
設問上の正解1

雌は衰弱木の樹皮へ大あごで産卵痕を作る。幼虫は初め内樹皮を食べ、成長後に辺材へ穿入し、木屑と虫糞が混じるフラスを出す。

基本解説

マツノマダラカミキリの生活史は、健全木での後食と衰弱木での繁殖を分ける

マツノマダラカミキリは、羽化した成虫が健全なマツの若い枝を後食するときにマツノザイセンチュウを樹体へ伝えます。一方、産卵は衰弱・枯死しつつあるマツへ行います。同じ成虫でも、線虫を伝える行動と次世代を残す行動の対象木が異なるため、生活環を一場面だけで覚えないことが重要です。

産卵から羽化まで
雌成虫が衰弱木の樹皮へ大あごでスリット状の傷をつけて産卵するふ化幼虫は最初に内樹皮を食べ、褐色粉状の虫糞を出す成長すると辺材へ穿入し、虫糞に繊維状の材片が混じる虫糞と木屑の混合物であるフラスが排出される材内で蛹化し、成虫が脱出する
空欄の根拠
空欄答え理由
A・B衰弱木・大あご雌は産卵管を差し込むのでなく、顎で樹皮に傷をつける
C・D内樹皮・辺材幼虫の成長とともに表層側から材内へ食害が進む
Eフラス穿孔性昆虫の虫糞と木屑が混ざった排出物

樹木医の手引き 第4版 p.372 ES版 65頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第3節・3|媒介昆虫
B深度III手引き 各論7章・3節・3R5-10B|全体整理型

15マツノザイセンチュウの保持部位

問題

マツ類の害虫であるマツノマダラカミキリは、マツノザイセンチュウ(分散型第4期幼虫)を体内に保持して運搬している。次の模式図に示した1~5(点線の円)のうち、その保持数が最も多い部位として、正しいのはどれか。

R5-Q10の原本設問図版
原本から切り出した設問図版
  1. 模式図1
  2. 模式図2
  3. 模式図3
  4. 模式図4
  5. 模式図5
R5-10手引き 各論7章・3節・3|媒介昆虫
設問上の正解3

選択肢3。分散型第4期幼虫は、マツノマダラカミキリ成虫の胸部気管・気管小嚢周辺に最も多く保持される。

基本解説

保持部位を、線虫が次のマツへ移る生活環の中で覚える

マツノザイセンチュウは単にカミキリの体表へ付着するのではない。被害材内で分散型第4期幼虫となり、カミキリの羽化時に気門から体内へ入り、主に胸部気管系へ集まる。成虫が健全なマツの若枝を後食するときに離脱し、後食傷から樹体へ侵入する。

被害材内で分散型へ羽化時に気門から侵入胸部気管系で保持成虫が若枝を後食傷口から健全木へ侵入
なぜ分散型第4期なのか

分散型第4期幼虫は、増殖より移動へ適応した段階である。媒介虫の羽化時期と同期して乗り移るため、線虫だけでなく媒介虫の生活史までつなげて理解する。

樹木医の手引き 第4版 p.372 ES版 65頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第4節・4|カシノナガキクイムシの繁殖と樹木との関係
C深度III手引き 各論7章・4節・4R4-10B|全体整理型

16カシノナガキクイムシのマイカンギア

問題

ナラ類やカシ類などの害虫であるカシノナガキクイムシは、菌類を運搬する器官をメス成虫の胸部背面に備えている。次の模式図(左が頭部)のうち、その開口部の円孔(白丸)の配置として、正しいのはどれか。

R4-Q10の原本設問図版
原本から切り出した設問図版
  1. 模式図1
  2. 模式図2
  3. 模式図3
  4. 模式図4
  5. 模式図5
R4-10手引き 各論7章・4節・4|カシノナガキクイムシの繁殖と樹木との関係
設問上の正解5

カシノナガキクイムシ雌の菌嚢(マイカンギア)は前胸背面にあり、図では後方中央に七つの開口部がまとまる配置を選ぶ。

基本解説

カシノナガキクイムシは、マイカンギアで共生菌を新しい孔道へ運ぶ

カシノナガキクイムシは、材を掘るだけでなく、共生する菌を孔道内で増殖させて餌として利用するアンブロシアビートルです。雌成虫はマイカンギア(菌嚢)という特殊な器官へ共生菌を保持し、新しい宿主木へ穿入すると菌を持ち込みます。したがって雌の形態同定では、菌嚢の位置と開口部の配置が重要です。

菌を利用する生活環
雌成虫がマイカンギアに共生菌を保持するナラ類・カシ類の材へ穿入して孔道を掘る孔道壁へ菌を植え付け、増殖させる幼虫と成虫が増殖した菌を利用する病原性をもつRaffaelea quercivoraの増殖は樹体の通水阻害と枯死に関与する

本種雌のマイカンギア開口部は、前胸背面の後方中央に七つの小孔としてまとまります。図は左が頭部なので、前胸の後端寄り中央へ七孔が並ぶ模式図5を選びます。『胸部背面』だけで広い範囲を見ず、頭部からの前後方向と中央・側方を確認します。

樹木医の手引き 第4版 p.428 ES版 66頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第5節・1|樹木を加害する鳥類
A深度II手引き 各論7章・5節・1H30-08C|重点誤答型

17樹木を加害する鳥獣

問題

樹木を加害する鳥獣に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。

  1. ウソは、梅園やサクラの名所に飛来し、葉芽を好んで食べる。このため、新葉が展開せず、樹勢が低下する。
  2. カワウは、水辺近くの森林に集団でねぐらを作る。直接的には樹木に被害を与えないが、大量に排泄された糞が土壌を変性させるため、結果的に樹木が枯損する。
  3. エゾヤチネズミは、樹幹を摂食、剥皮する。地下生活に適応しているため、根系も好んで食害する。
  4. ノウサギは、大きな切歯(門歯)で植物を齧って摂食する。食物となった植物の茎や小枝は引きちぎられ、採食痕は毛羽立つ。
  5. イノシシは、樹幹や枝を剥皮する。牙で鋭くえぐることもある。剥皮部には、土や体毛がついていることが多い。
H30-08手引き 各論7章・5節・1|樹木を加害する鳥類
設問上の正解5

イノシシは体をこすり付けたり牙でえぐったりして幹を傷つけ、被害部へ泥や体毛が付着することがある。

注意すべき選択肢

1

ウソがサクラ・ウメで好んで食べるのは主に花芽で、葉芽への入替えが誤り。開花への影響と花芽の食害を結び付ける。

2

カワウは糞による土壌・葉面への影響だけでなく、営巣時に枝を折り取る直接害も生じさせる。直接的な枝折りと、糞による化学的影響の双方を見る。

4

ノウサギの切歯による採食痕は比較的鋭い斜めの切口になり、毛羽立つ裂断痕とは異なる。歯形、切口、被害高、糞・足跡を組み合わせて判定する。

基本解説

獣害は、被害痕・付着物・加害位置で動物を推定する

試験で押さえる事項
  • ウソがサクラ・ウメで主に食べるのは花芽。葉芽と入れ替えない。
  • カワウは営巣時に枝を折り取る直接害に加え、糞の付着・堆積による化学的・土壌的影響を与える。
  • ノウサギの採食痕は鋭い切歯で切られ、比較的鋭い斜めの切口になる。毛羽立つ裂断痕とは区別する。
  • 泥・体毛・擦過痕がある幹傷は、病害だけでなく動物の擦り付けを疑う。

樹木医の手引き 第4版 p.434 ES版 67-68頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第5節・1|樹木を加害する鳥類
A深度I手引き 各論7章・5節・1R3-05B|全体整理型

18ウソによる鳥害

問題

次は、樹木を加害する鳥類として知られているウソに関する記述である。文中のA~Eの空欄を埋める用語の組み合わせとして、正しいのはどれか。
ウソは[A]よりやや大きく、太くて短い黒色のくちばしが特徴的である。オスでは頬と喉が[B]色である。[C]という鳴き声を出す。1~3月に、[D]に飛来し、[E]を好んで食害する。

  1. (A)スズメ (B)淡紅 (C)フィーフィー (D)サクラ (E)花芽
  2. (A)スズメ (B)濃青 (C)ジュージュー (D)サクラ (E)葉芽
  3. (A)ヒヨドリ (B)濃青 (C)フィーフィー (D)ツバキ (E)花芽
  4. (A)ヒヨドリ (B)淡紅 (C)フィーフィー (D)ツバキ (E)葉芽
  5. (A)ヒヨドリ (B)濃青 (C)ジュージュー (D)サクラ (E)花芽
R3-05手引き 各論7章・5節・1|樹木を加害する鳥類
設問上の正解1

ウソはスズメよりやや大きく、雄の頬と喉が淡紅色。『フィーフィー』と聞こえる声を出し、冬~早春にサクラへ飛来して花芽を食べる。

基本解説

ウソは、太い嘴・淡紅色の頬・フィーフィー・サクラ花芽

試験で押さえる事項
  • 被害は1~3月頃の花芽食害として現れ、開花数の減少につながる。
  • 葉芽ではなく花芽を好む点を、平成30年度問8と共通論点として覚える。
  • 鳥害対策は被害許容度、飛来時期、周辺環境を踏まえ、追払い等を検討する。

樹木医の手引き 第4版 p.434 ES版 67-68頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第5節・1|樹木を加害する鳥類
A深度III手引き 各論7章・5節・1R5-06B|全体整理型

19カワウによる樹木被害

問題

次は、樹木を加害する鳥類として知られているカワウに関する記述である。文中のA~Eの空欄を埋める用語の組み合わせとして、正しいのはどれか。
カワウは、全身がほとんど[A]色で、長い首をもつ。配偶様式は[B]で、集団でねぐらを作り、[C]の樹木に営巣する。樹木は、枝が[D]とともに、[E]色の排泄物が葉へ付着・地面へ堆積することにより、衰弱して枯損する。

  1. (A)黒 (B)一夫一妻 (C)水辺 (D)折り取られる (E)白
  2. (A)灰 (B)一夫一妻 (C)水辺 (D)折り取られる (E)黒
  3. (A)黒 (B)一夫一妻 (C)内陸 (D)剥皮される (E)黒
  4. (A)灰 (B)一夫数妻 (C)内陸 (D)剥皮される (E)白
  5. (A)黒 (B)一夫数妻 (C)内陸 (D)折り取られる (E)白
R5-06手引き 各論7章・5節・1|樹木を加害する鳥類
設問上の正解1

カワウはほぼ黒色で長い首をもち、一夫一妻。水辺の樹木に集団営巣し、枝の折取りと白い排泄物の付着・堆積によって樹木を衰弱・枯損させる。

基本解説

カワウの樹木被害は、営巣材の採取と大量の排泄物という二つの経路で起こる

カワウは魚を主食とする水鳥ですが、集団でねぐらや繁殖コロニーをつくるため、水辺の樹林へ集中的な影響を与えます。樹木を食物として食べるのではなく、巣材として枝を折り取り、葉・枝・地表へ大量の排泄物を付着・堆積させることが被害の中心です。鳥の食性と樹木被害の経路を分けて考えます。

空欄と生態の対応
項目カワウの特徴
外観全身はほぼ黒色で首が長い
配偶様式一夫一妻
営巣場所水辺の樹木に集団で営巣
物理的被害巣材として枝を折り取る
排泄物白色の糞が葉へ付着し、地面へ大量に堆積する
コロニー形成から枯損まで
多数個体が同じ樹林へ集まる枝の折取りで樹冠が損傷する糞の付着で葉の受光・ガス交換が妨げられる地表への堆積で土壌の養分・塩類・pHなどが大きく変わる影響が継続すると枝枯れ、樹勢低下、枯損が進む

樹木医の手引き 第4版 p.434 ES版 67-68頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第5節・2|樹木を加害する獣類
A深度II手引き 各論7章・5節・2R1-06B|全体整理型

20ツキノワグマの生態

問題

次は、ツキノワグマに関する記述であるが、文中のA~Eの空欄を埋める用語の組み合わせとして、正しいのはどれか。
ツキノワグマは一般的に、胸部に白い(A)の斑紋がある。夏に交尾し、(B)に出産する。多くの場合、(C)向きに樹皮を剥ぐ習性がある。堅果の(D)年には、行動圏が広がり、人里へ出没するようになる。(E)では、絶滅したと考えられている。

  1. (A)リング状 (B)冬 (C)地際から上 (D)豊作 (E)四国
  2. (A)リング状 (B)秋 (C)胸高から下 (D)凶作 (E)九州
  3. (A)V字型 (B)冬 (C)地際から上 (D)凶作 (E)四国
  4. (A)V字型 (B)冬 (C)胸高から下 (D)凶作 (E)九州
  5. (A)V字型 (B)秋 (C)地際から上 (D)豊作 (E)九州
R1-06手引き 各論7章・5節・2|樹木を加害する獣類
設問上の正解4

胸の白斑はV字型、冬眠中に出産し、樹皮は胸高付近から下向きに剥ぐことが多い。堅果凶作年に行動圏が広がり、九州では絶滅したと考えられる。

基本解説

ツキノワグマは、V字斑・冬出産・下向き剥皮・凶作年・九州

堅果類が凶作秋の食物獲得が難しくなる行動圏が拡大人里・農地への出没が増える可能性
試験で押さえる事項
  • 選択肢は五項目のうち一語ずつ入れ替える。V字型・冬・胸高から下・凶作・九州を一文で保持する。
  • 剥皮痕では爪痕、歯形、被害高、周辺痕跡も確認する。

樹木医の手引き 第4版 p.436 ES版 67-68頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第5節・2|樹木を加害する獣類
A深度II手引き 各論7章・5節・2R3-06B|全体整理型

21哺乳類による剥皮害

問題

樹木への獣害は採食行動に起因するものが多い。次のうち、樹木に対して採食による剥皮の被害を起こす哺乳類の組み合わせとして、正しいのはどれか。

  1. ハタネズミ、ニホンカモシカ、ツキノワグマ
  2. ハタネズミ、ニホンノウサギ、クリハラリス
  3. アカネズミ、ニホンザル、イノシシ
  4. アカネズミ、ニホンノウサギ、ツキノワグマ
  5. クリハラリス、イノシシ、ニホンカモシカ
R3-06手引き 各論7章・5節・2|樹木を加害する獣類
設問上の正解2

ハタネズミ、ニホンノウサギ、クリハラリスはいずれも樹皮を採食し、剥皮被害を起こす。

基本解説

採食性剥皮は、歯で樹皮を食べる動物を選ぶ

整理表
動物被害の見方
ハタネズミ地際付近の樹皮・根元を小さな歯で環状に食害し得る
ニホンノウサギ雪上でも届く幹・枝を切歯で食害。斜めの切口
クリハラリス枝幹の樹皮を剥いで採食する
試験で押さえる事項
  • イノシシの幹傷やクマの樹皮剥ぎには採食以外の行動も関わる。本問は『採食による剥皮』を限定している。
  • 被害高、歯形の幅、切口、糞、足跡から候補を絞る。

樹木医の手引き 第4版 p.436 ES版 67-68頁

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各論 第7章 樹木と動物のかかわり第5節・2|樹木を加害する獣類
A深度II手引き 各論7章・5節・2R4-06A|選択肢別判定型

22ニホンジカの生態と被害

問題

現在、ニホンジカは、野生鳥獣による日本の森林被害面積のうち約7割を占めるなど、深刻な獣害を起こしている。ニホンジカに関する次の記述のうち、正しいのはどれか。

  1. Cervus nippon の学名が示すとおり、日本固有種である。
  2. オスはメスより大きく、オスのみが角を持ち、毎年生え替わる。
  3. 弾丸状の糞を、決まった場所に排出するので、地面に大量に溜まる。
  4. 交尾期には、オスがなわばりを形成し、一夫一妻で繁殖する。
  5. 採食により、林床植生が破壊される一方、リョウブやアオキなどの不嗜好性の植物のみの群落が形成される。
R4-06手引き 各論7章・5節・2|樹木を加害する獣類
設問上の正解2

雄は雌より大きく、原則として雄だけが枝角をもち、角は毎年落ちて生え替わる。

  1. ×
    選択肢1

    ニホンジカは日本固有種ではなく、シカ(Cervus nippon)は東アジアにも自然分布する。

    日本の個体群・亜種を扱う場合と、種全体の自然分布を区別する。
  2. ○
    選択肢2

    一般に雄は雌より大型で、枝角をもつのは雄であり、その角は毎年脱落して生え替わる。

  3. ×
    選択肢3

    ニホンジカの糞は粒状だが、特定の場所を共同便所として繰り返し利用する『ため糞』を典型とはしない。

    粒状糞、足跡、食痕、樹皮剝ぎなど複数の痕跡で生息を判断する。
  4. ×
    選択肢4

    繁殖期の雄はなわばりやハーレムを形成することがあり、一夫一妻制ではない。

    雌雄の行動圏と繁殖期の群れ・ハーレム形成を区別する。
  5. ×
    選択肢5

    強い採食圧で不嗜好性植物が相対的に残ることはあるが、リョウブやアオキを一律に不嗜好性とし、それだけの群落になると断定できない。

    植生変化は採食選択、個体密度、立地、更新阻害を総合して評価する。
基本解説

ニホンジカは、雄のみ角をもち毎年更新する

シカ密度上昇採食圧増加実生・下層植生の減少更新阻害・土壌露出生物多様性低下・侵食リスク増加
試験で押さえる事項
  • Cervus nippon は日本以外にも自然分布し、種として日本固有ではない。
  • シカの糞は粒状だが、決まった一か所へ大量にためる『ため糞』を典型とはしない。
  • 交尾期は雄が複数雌をめぐって競争し、一夫一妻ではない。
  • 高密度化すると林床植生が減少し、不嗜好性植物が相対的に増えるが、提示された樹種を一律に不嗜好性としない。

樹木医の手引き 第4版 p.436 ES版 67-68頁

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