01日本に天然分布する樹種・帰化樹種
次のうち、日本に天然分布している樹種の組み合わせとして、正しいのはどれか。
- イチョウ-コノテガシワ
- ウメ-スモモ
- エンジュ-シダレヤナギ
- シデコブシ-カラマツ
- スズカケノキ-ニセアカシア
基本解説
樹木医の手引き 第4版 p.89 ES版 22-24頁
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次のうち、日本に天然分布している樹種の組み合わせとして、正しいのはどれか。
樹木医の手引き 第4版 p.89 ES版 22-24頁
次は、樹木の分類に関する記述であるが、文中のA~Dの空欄を埋める用語の組み合わせとして、正しいのはどれか。
近年、DNAの塩基配列の類似性に基づいた分類群が提示され、スギやメタセコイアなどはスギ科から(A)科へ、カエデ類はカエデ科から(B)科へ、ムクノキ、エノキはニレ科から(C)科へ、ヒサカキ、モッコクはツバキ科から(D)科への変更が提案されている。
スギ・メタセコイア→ヒノキ科、カエデ類→ムクロジ科、ムクノキ・エノキ→アサ科、ヒサカキ・モッコク→サカキ科。重要なのは対応表だけでなく、DNA情報から推定した系統関係と分類群の範囲を一致させるために科が再編された点である。
分類は、生物を種・属・科・目などの階級へ整理する仕組みです。古い分類は花や果実、葉、木材などの形態を主な手掛かりにしていましたが、似た形が必ずしも近い祖先を意味するとは限りません。そこでDNAの塩基配列を比較し、どの群がより新しい共通祖先をもつかを推定する分子系統解析が使われるようになりました。分類は不変の名簿ではなく、系統関係についての科学的理解が更新されると組み替えられるものです。
APG体系は、主として被子植物をDNA情報に基づく系統関係に沿って整理する分類体系です。基本となる考えは、ある共通祖先とそこから生じた子孫をまとめた『単系統群』に分類群の範囲を合わせることです。従来は別科とされた群が大きな一科へ統合されたり、一つの科が複数へ分けられたりするのは、このためです。なお、スギやメタセコイアは裸子植物なので、ヒノキ科への統合を厳密にAPGの変更と呼ぶのではなく、同時期に進んだ分子系統研究による分類再編として理解します。
| 樹群 | 従来の科 | 設問で用いる科 | 変化の型 |
|---|---|---|---|
| スギ・メタセコイア | スギ科 | ヒノキ科 | 近縁群をヒノキ科へ統合 |
| カエデ類 | カエデ科 | ムクロジ科 | カエデ科をムクロジ科に含める |
| ムクノキ・エノキ | ニレ科 | アサ科 | ニレ科から系統に沿って移す |
| ヒサカキ・モッコク | ツバキ科 | サカキ科 | ツバキ科から系統に沿って分ける |
樹木医の手引き 第4版 p.89 ES版 22-24頁
モクセイ科の中でもモクセイ属の樹木は、緑化に用いられる機会が多く、庭園や公園などによく植えられている。モクセイ属の樹木に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。
ナタオレノキは近畿地方以西、四国・九州・島しょ部などに分布し、若木の葉に刺状の粗い鋸歯が見られる。材が堅く、鉈が折れるほどだという名の由来も判断材料になる。
キンモクセイの橙黄色・芳香という特徴はよいが、中国原産で、開花は秋を中心に捉える。九州南部原産・晩秋~初冬という組合せが誤り。中国原産/秋に橙黄色の芳香花、を一組にする。
ヒイラギは日本にも自生するため、台湾から中国だけを原産地とする説明は誤り。刺状鋸歯の形態が合っていても、分布・原産地まで確認する。
樹木医の手引き 第4版 p.89 ES版 22-24頁
次は、3樹種の葉の写真であるが、樹種の組み合わせとして正しいのはどれか。

| 樹種 | 識別キー |
|---|---|
| エノキ | 葉基が左右非対称になりやすく、基部から目立つ脈が走る。鋸歯は上半部で目立つ。 |
| ムクノキ | 葉面がざらつき、鋭い鋸歯が目立つ。基部からの三行脈も手掛かり。 |
| ケヤキ | 細長い卵形で先が鋭く、縁の鋸歯が明瞭。側脈が鋸歯へ向かう。 |
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2018年の春に紀伊半島から野生のサクラの新種クマノザクラが発見されたという話題がマスコミなどで大きく取り上げられた。植物の種(species)の命名・発表に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。
植物の学名は基本的に属名+種形容語で表し、その後ろに命名者名を付記する。Cerasus kumanoensis T. Katsuki はその形である。
樹木医の手引き 第4版 p.89 ES版 22-24頁
裸子植物および被子植物に関する次の記述のうち、正しいのはどれか。
裸子植物にも胚珠は発達する。被子植物との違いは、胚珠が子房に包まれず露出している点である。
裸子植物は種子をつくるが、子房をもたず胚珠が裸出する。被子植物では花の雌しべに子房があり、その内部に胚珠が包まれる。受精後、胚珠は種子、子房は果実へ発達する。
| 分類群 | 生殖器官の要点 | 維管束 |
|---|---|---|
| 裸子植物 | 胚珠が子房に包まれず露出する | 仮道管が主体。例外的に道管をもつ群もある |
| 被子植物 | 胚珠が子房に包まれ、花・果実を形成する | 道管をもつものが多い |
| シダ植物 | 種子をつくらず胞子で繁殖する | 裸子植物には含めない |
樹木医の手引き 第4版 p.89 ES版 22-24頁
次は3種類の樹幹の写真であるが、樹種の組み合わせとして、正しいのはどれか。

樹木医の手引き 第4版 p.89 ES版 22-24頁
次のうち、(A)種名と(B)属名、(C)科名の組み合わせとして、正しいのはどれか。なお、種名・属名・科名は『改訂新版 日本の野生植物』(平凡社)の記述にしたがっており、APG体系に準拠している。
生物分類では、近縁な種を属にまとめ、近縁な属を科にまとめます。したがって『種名→属名→科名』は独立した三つの暗記ではなく、入れ子になった所属関係です。一方、日本語の和名は分類階級を保証しません。名前に『サクラ』『ミズキ』が含まれても、サクラ属やミズキ属とは限らないので、語感だけで判断すると誤答へ誘導されます。
樹木医の手引き 第4版 p.89 ES版 22-24頁
次の樹木の種内分類群に関する記述のうち、正しいのはどれか。なお、付記した学名を根拠に正誤を判断することとし、標準和名と学名は『改訂新版 日本の野生植物』(平凡社)の記述にしたがっており、誤りはないものとする。
トウヒとエゾマツの学名にはvar.が使われているため、両者は亜種ではなく同一種内の変種である。
var. hondoensisとvar. jezoensisは変種を示す。3名称はいずれもCerasus incisaを共有し、var. incisa、var. bukosanensis、var. kinkiensisとして3変種に区分される。
| 表記 | 意味 | 読み方 |
|---|---|---|
| subsp. | 亜種 | 種の下位で、地理的・形態的にまとまりのある群 |
| var. | 変種 | 亜種より下位に置かれる種内分類群 |
| f. | 品種(form) | 特定の形質差を示す下位分類群 |
樹木医の手引き 第4版 p.89 ES版 22-24頁
次は、ある樹種の樹皮と落ち葉の写真である。この樹種の樹皮や葉形に関する記述のうち、正しいのはどれか。

平滑で白い円形皮目を散生するという樹皮記述が写真と合わない。不揃いな薄片状の剝離と波状模様を優先して読む。
縦方向に浅く裂ける樹皮、円形~心形の葉基部という組合せが写真と違う。樹皮の剝離様式と倒披針形の輪郭を同時に照合する。
皮目が目立たず粗渋・鱗片状、葉がほぼ全縁という記述が写真と合わない。皮目の多さと上半部の鋭い鋸歯を確認する。
写真識別では、色だけに頼らない。まず樹皮が平滑か、縦裂するか、薄片状にはがれるかを見る。次に葉の最も幅広い位置から披針形と倒披針形を分け、最後に鋸歯が葉縁のどこまであるかを照合する。
| 観察軸 | 写真で確認する特徴 |
|---|---|
| 樹皮 | 皮目が多く、不揃いな薄片状にはがれて波状模様 |
| 葉形 | 先端側が広い倒披針形~広倒披針形 |
| 葉縁 | 上半部に鋭い鋸歯 |
披針形は基部寄りから中央が広く先端へ細くなる。倒披針形は先端寄りが広く、基部へ向かって細くなる。名称ではなく輪郭の重心で判定する。
樹木医の手引き 第4版 p.89 ES版 22-24頁